ものと時間を楽しむ人へ 「ディアリオ」が生まれるまで

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CREATIVITY

ものと時間を楽しむ人へ「ディアリオ」が生まれるまで

製品開発STORY Vol.1

2024.1.23

鞄を代表するシリーズの一つ、「ディアリオ」。これは、「ものを運ぶ」ことを楽しむために生まれ、育ち続けている鞄のストーリーです。

CREATIVITY

ものと時間を楽しむ人へ「ディアリオ」が生まれるまで

製品誕生STORY Vol.1

2024.1.23

鞄を代表するシリーズの一つ、「ディアリオ」。これは、「ものを運ぶ」ことを楽しむために生まれ、育ち続けている鞄のストーリーです。

愛され続ける理由とは「ディアリオらしさ」を追求

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エイジング豊かな一枚革を使い、できる限り革素材だけで仕立てられている「ディアリオ」。その始まりは、「革の魅力を存分に味わえる鞄をつくりたい」という思いからでした。

当初は、京都店が2008年に開店した際につくられた限定アイテムでした。人気の高かったデザインはそのままに、革に改良を加え、アイテム数を増やしながら、やがて現在の「ディアリオ」というシリーズ名が付けられました。

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「ディアリオが愛され続ける理由は、なんだろう?」

誕生から10年余り。デザイナーたちは、ディアリオを長く育て上げていくために、このシリーズが持つ魅力を追求し始めました。新しく生まれるアイテムにも、その個性がきちんと息づくようにと考えたのです。

そこでまず着手したのは、「ディアリオらしさ」を感じる街に足を運ぶことでした。フィールドワークを実施し、道行く人々や立ち並ぶ店の雰囲気、街に流れる空気感を肌で体験したのです。

「らしさ」の探求は、さらに続きます。社内に多くいたディアリオの愛用者の中でも、特に「似合う」と言われるスタッフを集め、彼らのライフスタイルや、もの選びの基準を中心に価値観をヒアリング。

そうして愛される要素を掘り下げていくうちに見えてきたのは、「時間を豊かに過ごす」ということでした。

ものを楽しむ、ものを運ぶ「豊かに過ごす時間」を大切に

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例えば、友人のホームパーティーに招かれた時、友人の顔を思い浮かべながらお店で選んだワインを鞄に入れて、パーティーへ向かうその道のりを楽しんだり。またある時は、たまたま通りかかった花屋で見つけた好きな花を買い、鞄から花束の頭をのぞかせながら、浮き立つ気持ちと一緒に持ち帰ったり。

そんなふうに、ものを楽しみ、ものを運ぶ時間を楽しむ時、傍らにある鞄がディアリオ であり、そんな楽しみ方ができるのがディアリオなのではないか。

フィールドワークやヒアリングから、「らしさ」が固まっていく中でデザイナーたちは、それを共通認識として持ち、製品に落とし込めるよう、そのイメージを言語化することにしました。そうして出てきたキーワードが、「自由」「余白」「無垢」の3つでした。

「素」と「密」が生み出すシンプルで上品なフォルム

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ディアリオらしさを表す、「自由」「余白」「無垢」という3つのキーワード。「自由」は、自由な心を大切にしながら、ものを生み出す人たちが持っているような、際立ったデザインのこと。「余白」は、そぎ落とされた機能が生む、使い方を限定しない懐の深さのこと。そして「無垢」は、革の生まれ持った個性のことを指します。

ディアリオのデザインのキーワードである「自由」は、シンプルなフォルムと、その中にそこはかとなく漂う上品さからつくられています。

一見するとシンプルながら、なぜ上品さが備わっているのか。その理由をデザイナーに聞くと、「『素』と『密』をバランス良く組み合わせているから」という答えが返ってきました。

革の自然な表情をそのまま生かした「素」と、シャープな切り目や、細やかに刻まれたステッチなど、丁寧な仕上げの技が織りなす「密」。

「大きな革の面が主役である一方、細かな部分には、職人たちによる数え切れないほどの小さなこだわりが積み重なっている。それが、上品さにつながっているのだと思います」。ステッチには、あえて革と違う生成り色を使うことで、革の豊かな表情が引き立つようにしています。

エイジングの楽しみに満ちた透明感を纏った革

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左:未使用、右:使用歴2年8ヶ月

ディアリオの魅力を特徴づけるもう一つの要素が、「無垢」というキーワードで表される革。

厚みを持たせた心地良い張り感と、奇麗な面を持つ「オイルメロウレザー」は、原皮のセレクトから、鞣しや染色、乾燥、漉き、それぞれの作業に、一つひとつ丁寧に向き合うことで生まれる革です。

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例えば、革の表情を生かした透明感と奥行きを感じる色味は、オイルを丹念に塗り込むことで実現されているもの。染色をする日の湿度やつくり手によっても微妙な差が出てくるため、2~3回とオイルを重ねていく中で、都度都度、色を調整して仕上げています。

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オイル仕上げのため、動物が生きていた時についた傷やシワ、血管の痕跡などの「ナチュラルスタンプ」といった、革が元々持つ魅力をそれごと楽しめるのも、ディアリオならでは。

オイルメロウレザーの仕入先であるタンナー(皮を鞣す専門の業者)は、「いろいろな方面から見ても、『革を贅沢に楽しむ』というこのシリーズのコンセプトにぴったりの革。エイジングも豊かで、使い手だけの表情に育っていくのも楽しいですよね」

愛用の時間で磨きながら味わいの1ページを刻んでいく

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2008年の誕生から、15年余り。ディアリオは多くの方に愛されながら、「らしさ」を大切に育ち続けています。

「ディアリオ」というシリーズ名には、「日記のように日々の時間を革に刻みながら、自分らしさと愛着を深めてほしい」という思いが込められています。

ものを運ぶ時間、エイジングを確かめながら、手入れをする時間。ディアリオの革鞄や革小物が、使い手の心を満たし、毎日に豊かさを添えてくれることを願っています。

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