素材の取り扱いに関する注意事項
鞄製造所では革をはじめ、製品にさまざまな素材を使用しております。それぞれの素材の特徴や取り扱い方法の注意について、ご購入前に必ずご確認ください。
革素材に関する注意点
天然皮革は個体差のある動物の皮膚を原料としているため一枚の中でも均質ではなく、全く同じ外観・品質のものは二つと存在しません。またデリケートな性質を持っていますので、ご使用の仕方や環境によってさまざまな変化を生じます。
自然な革の表情
天然皮革では、原料となる動物が元々皮膚に持っていた傷やシワ・血管や毛穴の痕跡、肌目のバラつき、色ムラなどの自然な表情が残るのが特徴です。特に、ナチュラルな風合いに仕上げられた革では、それらの表情が革ならではの個性として大きな魅力となっています。
バラ傷
牛の体の傷が残ったもの。ワイルドな印象を醸し出します。
トラ(シワ痕)
虎のしまのような、牛の首から肩にかけての大シワの痕。
血筋
血管が通っていた跡が稲妻のような模様に。本革の証しです。
シワのバラつき
部位によっては大小のシワが生じることがあります。
染めムラ
革質の変化による染色の微妙な濃淡も、豊かな表情を生みます。
黒点
革繊維に含まれる微細な不純物が、点のように見えるもの。
かさぶたの痕
刺し傷や擦り傷が治ったかさぶたの痕が、革に残ったもの。
虫食いの痕
虫に刺されたり食われたりした痕に、染料が濃集したもの。
毛穴
太い体毛が通っていた穴が、開いたまま表面に残ったもの。
色落ち・色移行について
●革の風合いを大事にした着色(染料・顔料)と仕上げのため、摩擦や水濡れ、長時間の接触などによって色落ち・色移行する場合があります。雨天時のご使用や、薄い色の衣類を着用される際は特にご注意ください。
●保管の際は色移行を防ぐため、他の物と密着させたり、重ねたりしないようにご注意ください。
水濡れについて
●水分が付着した場合は、シミや変色・色落ち、水ぶくれや形崩れの恐れがあるので、乾いた布で早めに水分を拭き取ってください。
●防水スプレーを事前にかけておくことで、上記を軽減できます。また水性の汚れを軽減可能です。
淡い色の革について
●淡い色や明るい色の革の表面には、バニラビーンズのように見えるごく小さな黒い点が現れることがあります。こちらは革の特性によるものですので、ご安心ください。
●淡い色の革は汚れが心配ですが、防水スプレーのご使用により、汚れの付着を緩和することが期待できます。
経年変化について
●「ヌメ革」や「オイルヌメ革」などのタンニン鞣しで仕立てられた革は、経年変化によって色が濃くなったり、黄味や赤味を帯びたりしてきます。
●日光や照明に長時間当たると変色・退色することがありますのでご注意ください。
●表面にポリウレタン加工を施した革は、ご使用の有無にかかわらず、べたつきやひび割れなどの劣化を起こすことがあります。
オイルヌメ革の経年変化例
婦人かばん工場ヴィンテージワックスレザーの経年変化例
婦人かばん工場生地素材に関する注意点
天然繊維について
●コットンや麻などの天然生地には、織りや染色のムラが現れることがあります。
●濃色の生地は、水濡れや汗、摩擦などによって、衣服などに色移行する恐れがあります。淡色の服を着用の際にはご注意ください。
●水に濡れると色ムラやシミができる場合があります。防水スプレーを事前にかけることでこれらを軽減可能です。
●尖ったものなどが当たって生地がほつれたり、摩擦で毛玉ができたりすることがあります。
化学繊維について
●ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は熱に弱いため、熱くなるものに近づけたり、高温になる場所に置いたりしないでください。
●素材の特性上、色あせや黄変などのさまざまな経年変化を起こす可能性があります。
●尖ったものなどが当たると、生地が破れることがあります。
その他の注意点
金具やファスナーについて
●金具やファスナーは、温湿度の影響で変色や腐食を起こす場合があります。
●一部の製品においては真鍮製の金具を使用していますが、素材の特性を生かすため表面加工をしておりません。そのため、ご使用の環境によっては変色や緑青を生じることがあります。
保管について
●ご使用されない時は通気の良い場所に保管し、タオルや、丸めた新聞紙をちり紙に包んだものを中に詰め、時々日陰干しや乾拭きなどをして湿気を除去してください。
●カビやさびの原因となりますので、ほこりや高温多湿を避けて保管してください。
●他の革製品やプラスチック、ビニール、ポリエステル、ゴム製品などと密着させて保管すると、色移行やべたつき、接着が生じることがあります。
長くお使いいただくために
●製品の素材と衣服の生地の相性によっては、摩擦でけば立ちや毛玉などができる場合があります。デリケートな素材の衣類をご着用の際は、特にご注意ください。
●使用頻度の高さに比べてお手入れが十分でない場合、通常より早く素材の傷み・劣化が生じる場合があります。
●水や油脂を含むもの(整髪料や化粧品、ハンドクリームなど)、アルコールや揮発性の薬剤(ベンジンなど)を含む製品との接触は、できる限り避けてください。
ご不明な点は、こちらからお問い合わせください
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